『だから僕は(クラス)設計を辞めた』 in 小田原:PHPカンファレンス2025登壇記
有能な知り合いが生まれつつある小田原の地へ再訪。今回は登壇という形で。
得られた知見もあるし、振り返るとする。
前夜祭
登壇
1年ぶりの小田原なので、街の事情は完全に理解している。余裕をコいていたら集合時間ギリギリだったので反省している。
会場に着いたら着いたでスタッフも慌てていて、自分が登壇する時間もわからない。PHPカンファレンス名古屋で、お客さんの紳士で大人な対応ですごく助けられた経験を思い出し、落ち着くのを待った。
自分は『だから僕は(クラス)設計を辞めた』というタイトルで登壇の魁を務めた。登壇内容としては渾身の一撃だろうという意気込みだったが、自分自身の時間管理が甘く完成度としては改善点の残る物となった。
もう少し会場を巻き込んだ、落ち着きと談笑が湧く構成にしたいと振り返った。
あたふたしていてメンタル的にはかなり効いていたが、 @TAKA_0411 さんが最前列で大きくリアクションして下さり、だいぶ有り難かった。その後の宮小路散策にて感謝申し上げた。
改めて、誰かの発表にはリアクションをオーバーにしてあげたいなあと前向きになった。
その場で行う、物理1分間フィードバックの企画は面白かった。
確かに、2,30人の規模であればポスト・イットにフィードバックを書いてボードにまとめておくことで、特に運営のコストが下がりそうだと思った。
みんな感想ありがとうございました! こういうのがめっちゃ励みになるんだよな。
画として、文字として残るのめっちゃいい。企画した人天才。
前夜祭の感想
かがさんのLTめっちゃ良かった。
最近立ち上がった、 俺の勉強会という名古屋の勉強会に参加したときも思ったけど、自分の波長が合うコミュニティはいくつか合ってもよいと思った。
特に今年は、PHP以外のコミュニティに足を伸ばしてみることが目標だから、少し背中を押された気がして嬉しかった。
宮小路に向かう前、 @kyon_mm さんにスライド作成の極意を聞いた。プロポーザルを出す時点では資料の骨子が作成されており、いつでも登壇できるようにしているとのこと。
なるほど。それはプロポーザルが通ってからよりも長い時間、資料作成に時間を費やすことができる。
真似できるかはさておき、思考を文字に起こす速度向上が必要そうということがわかった。
本編
前夜祭参加組は、受付を済ませていたのでスマートログインみたいな感じで体験が良かった。
Tシャツもセルフで取っていくやつ、全然これでいい! となった。名古屋ではできなかったので改めて学び。
登壇内容の感想
特に印象が残っているのは、 meihei さんの『改めて学ぶTraitの使い方 / phpcon odawara 2025』にAsk the Speakerをしに行って、話し込む中で呪力の核心を得たことである。
traitに定義可能なメソッドには、あらゆるアクセス修飾子が付与可能であり、何ならプロパティも同じようにプロパティを定義できる。
実態があるようでない事の気持ち悪さと、抽象クラスに定義してある通常メソッドのような気味悪さから、自分はうまく使うことができていなかったこともあり、話は大いに盛り上がった。
喧々囂々とする議論の中で、「traitが最も輝く舞台は、変化が少ない完璧なドメインの中にあるのではないか?」という黒閃が爆ぜた。多重継承が設計される基幹システムやフレームワークなどがそれにあたる。
このような建設的な話し合いの中で生まれるミラクル的な体験がすごく面白いしたのしい。こういう瞬間のために、エンジニアって旅してるんじゃないかな。少なくとも、自分はそう思った。
次に印象に残ったのは きんじょうさんの『「影響が少ない」を自分の目でみてみる』という登壇。
視点が尖すぎて切れ味抜群。とにかく難しい言葉を使わずに 依存 とか 凝集 みたいなものを図示するというテーマ。
自分もよく 考古学 コードからロジックを読み込むときは付箋やポスト・イット(本当はmiro)にベタベタ処理を貼っていっているのだが、その次の段階に行うようなことを簡単なスケッチで行えるというものだった。
影響が大きいものをどれだけ止められるのか。という視点で図をみて、影響の矢印をいじいじしてみる。目で見える図でなら、チーム内でも意思疎通がしやすそうで良さそうだった。
だからこそSQLにロジックを寄せて、影響がDBから出すぎないように調整することはすごく意味があると強く戒めた。
イベントとしての感想
まずは食事について。
カンファレンスと地域・行政がここまで密着しているのはもはや小田原くらいじゃないか。 オーガナイザーの地元愛が凄まじすぎて本気を感じた。紹介していただいた飲食店全てが美味だった。 これは小田原に移住したく成る人の気持に寄り添っているなあと。
また、他のカンファレンスには見られない、全員参加型のアクティビティが行われた。PHPのビルトイン関数に関するクイズだったり、ソフトウェアエンジニアリングに関する問題を3人一組で解いていく。勝敗はどうであれ3人で行われるコミュニケーションそのものにとても意味があるし、勝敗があるからこそ強調して価値に行くモチベーションが湧いた。
とても面白かった。
まとめ
今年も行って本当に良かった。登壇の機会まで与えられて、呪力の核心まで掴めて、大人数でしかできないコミュニケーションも取れた。
特に、大合戦の問題を考えたり、準備をするのは骨が折れただろうなと思う。あれはカンファレンス参加者に楽しんでほしいという、実行委員会の気持ちの顕れだと感じた。
本当にお疲れさまでした。
またいつか 話に行きたい 小田原に