ヒトが長距離走が得意な理由は、身近な身体の特徴から読み取れるものだった

読んだ本

運動の神話 下

面白かったところ

  • 人間の体温冷却機能が優れているという視点から、長い時間走ることができる利点の論理展開が最高に良かった

  • 楽しく運動することでアンチエイジングを叶えられるという夢も希望もない、如何にも現実的な解がよかった

微妙だったところ

  • 個別具体的な病気と運動との比較は、医学・医療の知識も混ざっていて御門違い感が少しあった

感想

ヒトは他の動物と異なり、毛がほぼない。その代わり多くの表面積が皮膚で覆われいる。これは発汗による体温冷却の機能を意味し、長時間における長距離走破を可能にする能力である。

人と馬が競争してヒトが勝つという調査結果もあるくらい、他の動物は体内で発生した熱を放出できないらしい。

この考察は、遥か昔の狩猟の際、獲物自身の体温の熱で疲弊させて肉を勝ち取る風景を容易に彷彿とさせる。

となれば、人間は長い時間、長距離を走ることが得意な種族で、そのように進化してきたとも考えることができる。

健康のため、と今まで筋トレばかりしてきた自分を省みて、遥か昔に大自然を駆け抜けていた大先輩たちのように、走ってみようと思った。